よくトランス呼吸法のコツを教えてと聞かれるが、事細かに話すよりも、『これをやるとうまくいかなくなる方法』を書いた方が、いいことがわかった。
箇条書きにして思いつくまま書いていきたい。
☆背中を丸めて呼吸をしない
☆ダラダラした気持でやらない(雑念はあって当たり前、その中でやる。でも惰性はよくない)
☆つねに自分の心身がどうなっているか必要以上にチェックする
☆時間がないことを言い訳にする(こういう人間は時間があっても絶対やらない。時間は必ず作れるもの)
☆呼吸の時間、ストレッチの時間、反らす時間など事細かに決めて、常に時計をチェックしながら進める
☆一度うまく変性意識になったり、意識が飛んだことがあり、その次も期待して取り組もうとする(まずその感覚は味わえない。うまくいった後こそ、スケベ心は捨てること。それがないとジレンマに陥る。前はうまくいったのに、なぜだ!!)
☆完璧な呼吸が整った環境になってはじめて呼吸をする(どんな悪条件の中でもやる。その気持だけで自分の限界を突破できる)
☆ながら呼吸をする(テレビを見たり、など。暗示を聞きながらの呼吸はいいが)
☆常に楽な方法、効率のよい方法を小細工を使って成し遂げようとする(ちょっとでも得しようと知恵を使うと、何倍も苦労することになる。自業自得だけど、最も陥りやすい罠)
☆自分のやっている呼吸の方法がいいのか、常に不安になるチェックしてしまう(呼吸は吸って、吐く! それだけできていたら、時間だの、腹式だの、吐く長さだの考える必要はない。あとから一番効率のよい呼吸法が自分で体得できる)
☆量をこなさないで、最初から質を求める(これも小細工につながる。そういう人間は永遠に質はやってこない。つまりずるくなったらダメ)
☆呼吸をして、何らかの心身の変化を感じた時、すぐ不安を感じて中断する(その人は何にでも不安を感じやすいだろうけど、いちいち騒いでいたら、何にも前に進まない。気持ちよくなったらそれで良し、気持ち悪くなっても、体が固いからそうなっただけ。手足の痺れ、胸の痺れも体が反応している証拠。手や体が固まってきても、強い呼吸を連続でやっていたら、当たり前の本能としてそうなるだけ。いちいち騒がない。日常から意識の流れや体・脳の硬さを変化させるためにやっているのだから。変化したら変化したで、騒がずたんたんとやること。もったいない)
☆呼吸そのものに意味は求める(やる意味はもちろんあるが、意味を見出してやろうとすると、常に見返りを求める脳みそになる)
☆見返りを求めて取り組む。スケベ根性でやる(感覚というものは求めれば求めるほど逃げてしまう。男女の仲と同じ)
☆細かいところばっかり完璧にやろうとする。すべてに理屈をこね納得してはじめて取り組む(もっと大局を見る。考えれば考えるほど、納得できなくなり、不安を感じるだけ)
まあ、こんなところかな。
小さい器でやると呼吸だけじゃなく何にでも効率が悪くなる。
そんなものどうでもいい、という気持(いわば大きな器)を持てば、結果的にすべてうまくいく。
偉そうに書いたけれど、俺が経験してきたことだから。つまり同じ経験をしてきて、これじゃやばいなと心を改めてはじめてうまくいったから、参考にして欲しい。
箇条書きにしたことと逆のことをやればうまくいくのだから、頑張ろう
最後に。
呼吸法は確かにすごい効果を挙げられるが、自力で、しかも中途半端にやると意味が無いどころか、抑圧を呼び覚まし、コンディションが悪くなってしまう可能性がある。
岩波先生に指導とその技術の威力のもとで、呼吸法をやることが大事。呼吸法は道に迷ってしまって、悩みや苦しみを深めてしまうから、一人だけの力で、神経症を解決できるほどは甘くない。最大の目的ではなくて、呼吸法はあくまでも、最強の克服するためのツールだ。