実際あった時は、背があまり高くない人だが、独特の力強いオーラを感じた。
理屈じゃなく、感じたことは「おっ!」というものだった。
普通、催眠療法の先生やカウンセリングを行う先生は、職業を離れたところで会ったり、話したりすると、
力強さやパワー、お主できるな! と思うことはなかったし、どちからというと精神的に線の細い、人当たりはまあまあいいといった感じ。
今まで神経症や各悩みを解決するために奔走した人にわかってもらえると思うが、
カウンセリングやセラピーというものは、知識があれば腕がいいというわけじゃない。
経験値は必要だが、その症状に関しては、ベテラン神経症者に勝るわけじゃない。
知識があっても心理学の勉強をしてきても、人の悩みを解決させるにはパワー不足なのだ。
その人の言葉は正論であっても、こちらの心に響かないと正論が正論でなくなる。
岩波英知さんは非常に独特の力強いキャラクターをもっていて、陽性タイプの人間だ。
厳しさもうちに秘めつつ、誰とでも自分のペースで話すことができる、コミュニケーション能力でも卓越している。
そういう線の図太い心理セラピスト対決でも、必ず勝つ能力を持っている。
岩波さん独特のキャラクターそのものがすでに人の心に訴えかけるパワーにあふれてる。
カリスマ性があるのだって、そこから来ている。
カウンセリング一つとったって、形式化したカウンセリング技法を使うわけじゃない。
独特のカウンセリングのやり方に戸惑うクソがつく超まじめ人間もいるだろうが、
セラピーというものが、精神科医の治療を含め、人間対人間の心のやりとりだとすれば、
あのやり方ほど理にかなっているものはないと思える。
時には、本当にこちらの症状を把握しているんだろうか? と疑心を抱くこともあったが、
しっかり把握されていた。
豪放磊落な細かいことを気にしない人間なので、クソがつく超細かすぎる人間も戸惑うかもしれないが、
細かい人間にとっては、とてもありがたいキャラクターだった。
そして豊富な意識変容状態の作り込み手段。
すごいところはこちら自信も独自で意識変容状態を作れることにある。
そのために呼吸法を家でやってくる必要がある。
その努力すらできない輩は何をやってもダメだろう。
薬を飲み続け、強い薬の副作用で苦しみ、それでも薬の効果が薄れ、更に副作用の症状に苦しめられ、もともとの症状すら見分けがつかなくなるしかないだろう。
岩波英知トランス呼吸法は、脳内のホルモンバランスを整えられる。
つまり自分で作る「薬」のような効果だ。
それだけじゃなく、呼吸法で作り込んだら、暗示が深層意識に深くしみこめる。
評判を聞いて通い始めたが、評判以上だった。
これは俺の中での想像を超えていた世界だったということもある。
暗示、深層意識の世界、意識変容状態、呼吸法の価値と効果、カウンセリングの効果というものが本当にあるんだという実感や信頼は、書物を百万冊読もうとも理解することはできない世界なのだ。
百聞は一見にしかず。
そして一見は、一つの実感にはるかに及ばないということだ。
かといって、岩波英知さんは神様ではない。
神業を持つ達人だが、あくまで人間だ。
まったくの他力本願で行き、自動的に神経症や心の病が治ると思っていたら大間違いだ。
家での課題を出され、それをやってこなくてはいけない。
努力をまったくできない、そしてクソがつく超理屈一辺倒人間にはおすすめしない。
しかし、それ以外だったら万事OKだろう。
岩波さんの超絶能力を通った人間として保証しよう。
通っている人間も、いまの岩波さんへの信頼や能力の高さへの驚きも、さらに更新されるだろう。
底が知れない。俺もまだまだ本当のすごさをわかっていないんだろうな。